酵素とは一体何者？酵素の種類と特徴をわかりやすく解説

酵素とは何者？

私たちが生活できているのは酵素のおかげ

酵素は細胞の再生や自然治癒力、食物の消化、栄養の吸収、分解等、人間が生命活動を営む上で欠かせない存在です。

「酵素があるから人は生きられる」と言われる程です。

この「酵素」は現在、約3000種類ほど発見されていて、そのほとんどが「たんぱく質」によって構成されています。

たんぱく質でできているので、50℃以上の熱に弱く、Phにも弱い特徴があります。

そのため、酵素の食品を火で炒めたり、酸性の強い環境にさらしたりした場合、せっかくの酵素が他のものに変化してしまいます。

酵素を体に取り入れるには火を通さない食品や発酵食品を摂取することが大切です。

触媒とは？

さて、この酵素はなぜこのような働きができるのかというと科学的に言えば「酵素は触媒の一種」だからです。

触媒とは医療、化学、工業等の分野で多くの化学プロセスの中で使われている物質で、ある化学反応を起こすときにその反応速度を飛躍的に高める第三者的な役割を果たす物質のことをいいます。

たとえば、酸素(O)と水素(H)から水分子(H2O)を生成する際に、わずかな銅(Cu)を入れるだけでその反応速度が飛躍的に高まります。

それでいながら触媒を使った化学反応が起きたとしても、触媒自身の成分は化学反応の前後で全く同じという特徴があります。

先ほどの例でいえば銅(Cu)を使って酸素(O)と水素(H)から水分子(H2O)を生成したとしても、水分子を生成した後に銅(Cu)には全く変化が無いということです。

酵素についてもこれと同じで、人間の体の中で細胞の再生をする際に酵素が使われることで生化学反応において反応速度を飛躍的に高める働きがあります。

１つの酵素は１つの役割を担う

ただし、酵素は触媒ですから、１つの触媒が他の触媒と働きが違うように１つの酵素は他の酵素とはその働きが違います。

たとえば、「細胞再生の酵素」と「食物の吸収の酵素」は働きが全く異なります。そのため、単に「酵素」を摂っているといっても「何の酵素」かによって違いますので、酵素を摂る際は成分を把握しておくことは大切です。

酵素の種類

潜在酵素

潜在、すなわち「人体に潜んでいる酵素」のことを潜在酵素と呼びます。

潜在酵素は「代謝酵素」と「消化酵素」に分類されます。この潜在酵素に対して外部から取り入れるものが「食物酵素」です。

酵素は大まかに分類して「代謝酵素」「消化酵素」「食物酵素」の３種類に分類されます。

代謝酵素

代謝とは新陳代謝の略で、生命が外部から取り入れた無機・有機化合物を素材とする化学反応のことを言います。

代謝酵素によって、人間の免疫力が上がり、自然治癒力が増強されたり、細胞が再生されたりします。また、栄養素を各細胞に届けることを手助けします。

ただし、年齢を重ねるごとに代謝酵素は減少してゆきますので、代謝酵素が無駄に減少しないように健康を維持することも大切です。

消化酵素

消化酵素は消化器官内で分泌され、食物の消化活動をサポートします。

たとえば、腸には善玉菌と悪玉菌が多数ひしめいていますが、消化酵素が不足すれば悪玉菌が増えるきっかけになり、消化酵素が増えることで善玉菌が増え、結果的に悪玉菌が減ることにつながります。

食物酵素

食物酵素は文字通り、食物から摂取する酵素のことで、新鮮な生の食材や発酵食品に入っている酵素を体内に取り入れることです。

食物酵素を取り入れることで消化の手助けになり、消化酵素の量を減らすことができます。その結果、代謝酵素を消化酵素へ回す量を減らすことができますので、代謝酵素の節約になります。

消化酵素が増えれば善玉菌の増加につながりますので、食物酵素は健康維持の面で大きな鍵を握っています。

酵素を効果的に取り入れるには酵素ドリンクを作るのがベスト

たとえば、人間の自然治癒力を高めるとされるゲルソン療法として有名なニンジンジュースはニンジンジュースの代わりにただ人参を食べるだけではあまり効果がないとされています。

それは、ニンジンをはじめとする一部の植物の酵素のは頑丈な細胞膜に包まれていて、細胞膜を効率よく砕くまでは取り出すことができないからです。

また、高速ミキサーでジュースを作った場合は細胞膜とともに酵素まで破壊されてしまいます。そのため酵素入りのニンジンジュースを作る際は専用の低速ミキサーを使うのがベストなのです。

そのため、野菜やフルーツから酵素を取り入れる場合には、低速ミキサーでジュースを作るか、市販の酵素ドリンクを摂ることが推奨されます。

個人的にはただ単に野菜をミキサーにかけてジュースにしたものと市販の酵素ドリンクを実際に比べてみると、摂取した後は体のスッキリ感が全然違う印象です。

なので、酵素を補給するなら自分で作る場合は低速ミキサー、購入する場合は市販の酵素ドリンクをお勧めします。